鼻整形で用いる自家組織
AUTOLOGOUS TISSUE自家組織を使うメリット
鼻整形を検討されている患者さまの中には、プロテーゼなどではなく、できるだけ自家組織で安全でかつ理想の鼻を手に入れたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自家組織を使うメリットとしては、異物を使うことによる感染症など合併症のリスクが下がります。また、自家組織である故アレルギーの心配もなく、さらに移植したものはご自身の組織として定着するため形を永久に維持することができます。(多少の吸収はございます)
軟骨の採取部位
自家組織は、ご自身の軟骨を使用します。
採取する部位は、鼻中隔軟骨、耳介軟骨、肋軟骨の3つあり、下図でいうピンクで示された部分です。
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鼻中隔軟骨
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耳介軟骨
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肋軟骨
鼻中隔軟骨、耳介軟骨、肋軟骨の特徴とメリット・デメリット
鼻中隔軟骨 | 耳介軟骨 | 肋軟骨 | |
メリット | ・鼻以外に傷ができない ・比較的まっすぐで扱いやすい |
・傷跡が目立ちにくい ・ある程度の量の軟骨が手に入る |
・かなりの量の軟骨が手に入る ・皮膚が硬い方に適している |
デメリット | 採取できる量が少ない | ・元々カーブしている | ・傷跡が目立つことがある ・将来的に変形しやすい ・胸膜損傷のリスク |
参考文献:Aesth. Plast. Surg. 30:169-174, 2006
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鼻中隔軟骨について
鼻中隔軟骨は、耳介軟骨と肋軟骨の中間程度の硬さで、基本的には耳介軟骨と鼻中隔軟骨の組み合わせて手術をすることが多いです。
形状が比較的まっすぐである程度の強度であるため、土台と使用することに適した軟骨です。 -
耳介軟骨について
耳介軟骨は、採取が比較的容易で、柔らかく弾力性に富み、加工がしやすいなどの特徴があり、自家組織移植法の材料としてよく使用します。
鼻先の処理には有効で、クッション代わりになるため鼻先の皮膚が薄くなるリスクを防いでくれます。土台として使用するには、不向きでまっすぐにする必要がある時は2枚重ねにして使用します。鼻中隔軟骨と耳介軟骨に共通する点は、軟らかさや厚み、大きさに大きな個人差があるということです。これらを用いた場合、安全にかなり大きな変化を出せる方もいますし、逆にあまり変化を出せない方もいらっしゃいます。
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肋軟骨について
肋軟骨は、採取に際して前胸部に切開創の傷が残ることや、他の軟骨移植よりはやや大掛かりな治療となります。
大きい変化をご希望される場合などは、十分量が採取できる肋軟骨を使用することがございます。
ただし、質感が硬いため衝撃によっては挿入した肋軟骨が折れる等のリスクがございます。
そのため、数年後に曲がるリスクもあると考えると、使用には十分に気を使わなければいけない軟骨でもあります。
将来的な湾曲のリスクを減らす工夫
肋軟骨移植による将来的な湾曲のリスクを減らす工夫ですが、この図のような工夫によって下げることも可能です。
このような肋軟骨の切り方を工夫することで将来、湾曲するリスクをかなり低く抑えることが出来るとされています。
Laryngoscope, 121:2155-2158,2011
結局鼻整形にはどの軟骨を使うべきか
どの軟骨にも長所・短所があるため、どれが絶対に良いという議論はできません。
当院では、術前に患者さまがどのような理想の鼻にしたいかをシミュレーションを用いながら綿密に話し合い、最終的には術中に決めています。
最初から採取する軟骨ありきで手術内容を決めてしまうと、採取した軟骨の量や質が思ったものと違う場合があるからです。
ですから、術中にどの軟骨が理想の鼻を形成するのに適しているか、臨機応変に見極めて、最善な方法をご提供することに努めております。
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